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金は湧いて出るもんじゃない――『東大卒でも赤字社員 中卒でも黒字社員』を読んで
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『東大卒でも赤字社員 中卒でも黒字社員 ―会社が捨てるのは、利益を出せない人』(リュウ・ブックス アステ新書)

著者の香川晋平さんからいただきました。

僕はよく会社にいたころ、
「自分の給料は一体どこから出てきているんだろう?」
「うちの会社は一体どうやって儲けているんだろう?」
「自分の仕事は正味どれくらいの価値なんだろう?」
なんてことをよく考えていましたが(結局わかりませんでした)、
本書はまさに、そんな「会社の利益の仕組み」をゼロから学べる好著です。

会社っていうところは、仕事でいい成果をだしたら急に給料があがるわけでもない。
反対に、ちょっとくらいサボっていても、普通に給料は出る。
で、「そもそも自分の労働がどれくらいの価値を生み出しているのか」
という経済の原理原則のことを忘れがちです。

特に僕のような新聞記者やライター業は、会社にいても
「何百万円の契約ゲット!」というふうに、粗利に触れることができないので、
長年やっていると、コスト感覚、貢献感覚が希薄になっていきます。
(だから僕の本には、ほぼ数字が出てこないのです)

でも、金が湧いて出てくることはないのだから、
給料だって、誰かが稼いでいないと出ないわけです。
これが小規模な商売ならよく見える。
たとえば、家が八百屋だったら、客が少なくなったり、
親父が店の金で飲み歩いていたら、
「ああ、やばいな」と感じることができるでしょう。

しかし、組織が大きくなってくると、そういう原始的な商売感覚が薄れて、
給料が湧いて出てきているような感覚になってしまう。
そういう状態が続くと、いくら家柄も学歴もピカピカの人が雁首そろえていても
JALみたいに倒産してしまうんだろうなあ、と思いました。

この本は、香川さんの語り口も、会計の入門書としての教え方も
すごくやさしく、初心者には取っつきやすい。
初の会計本として、学生さんにもお勧めです。

それにしても、この「給料分を稼いでいない社員がいる」という問題は、
「会社に貢献していない社員はダメ」という単純なことを言っているようで、
背景に、必要のない仕事を作り出して自己増殖し続ける行政や
コロッと逝ってしまう銀行や大会社のような、
組織が腐るときの「金が湧いてくる幻想」の病理を暗示しているような気がします。
意外に恐ろしい本です。
by okuno0904 | 2011-02-08 01:12 | オモロイ本を読んだ! | Comments(0)
『走る男になりなさい』
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きょうご紹介するのは「レバレッジ」でおなじみの本田直之さんの本です。
サンマーク出版さんから献本いただきました。

ぱらぱらと開いてみたら、なんと小説!
てっきり体を動かすと仕事がはかどる的な話かと思っていました。
著者の多才さに改めて驚きます。

ストーリーは雑誌創刊のプロジェクトにたずさわるわる主人公が
「走る」ことで、モチベーションを高め、
人生を見つめていくというもの。

体を動かすと、頭も働く。
これは誰でも経験がるんじゃないでしょうか。
ちょっとした散歩でも実感できますね。
この小説でも、主人公は走ることで、どんどんアイデアを出し、
発見を重ねていく。その流れがなかなかリアルで、
実用的に読むことができます。

なんだか、ランニングを欠かさないという村上春樹さんを
思い出しました。最近は、編集者にも体を鍛えている人が多い。
『だから新書~』担当の高橋さんもトライアスロンに出場するため
練習を重ねています。

こないだ東京でトライアスロンの話をうかがって
「水泳して自転車乗って、マラソンです」と聞いたときには
「いくらなんでもハードすぎませんか?」と聞きたくなったけれど、
ぐっと飲み込んだのを思い出しました。

そう、やっぱりすごい人はなんでも命がけなんですよ。
仕事でも趣味でも。
その瞬間に全身全霊をぶつけることができる人は
勝とうが負けようが、僕は尊敬します。

体が動かしたくなる、仕事がしたくなる本です。
ぜひ、書店でご覧下さい。
by okuno0904 | 2009-11-04 13:36 | オモロイ本を読んだ! | Comments(0)
   

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