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2018年版 新聞・雑誌の付き合い方
2018年版 新聞・雑誌の付き合い方_b0177514_09112122.jpg
2017年、元日に立てた目標は「ネットをやめること」だった。
特定のだれかの書き込みの話じゃなくて
いわゆる“ネット社会”というのは「心底くだらん」と思ったのである。
誰が炎上したとか、どの書き込みがバズったとか。
そんなことにかかずらっているには人生はあまりに短い。

というわけで、メール・地図・乗換案内など、
生活に必要なサイトを除いて、
ネットニュースやSNSなどは一切見ないという
「縛りプレイ」をやってみた。

……が、3日と持たなかった。
あらゆる情報が「ヒモ付け」されているから、
乗り換えを調べるあいだにも、
勝手にくだらんニュースが入ってくるのである。
「このニュースを3行で言うと……」
「AYA、娘の誕生日に手作りケーキ」
「松ちゃんが○○な風潮に苦言!」
みたいなヤツがさぁ!

というわけで、早々に白旗を挙げて、
2017年もネットどっぷりで過ごした。
ニュースやネットタコ踊りに
大量の時間をドブに捨てたものの、
うまくいったこともある。
新聞・雑誌との付き合いだ。

新聞がアレなのはまあ仕方ないとして
雑誌の方はここ数年、
「頭の刺激になるようなちょうどいいのがない」
という悩みがあった。
「ナショナルジオグラフィック」は鉄板として、
あと2、3誌、定期購読して、たまに、
「おや、この記事はおもしろい」となるような
ちょうどいい雑誌はないか、と。

「ニューズウィーク」は過去に定期購読していたけれど
読むのが追い付かないのでやめた。週刊はきつい。
総合週刊誌は下半身と株の話ばかり。
月刊総合誌はもはや終活専門誌となっている。

一体おれはどうすりゃいい?
そもそも雑誌自体が青息吐息だ。
残っているのはもう出版社のPR誌くらいか、
あれも連載小説ばっかりでイマイチなんだよなぁ……。

そんなふうに、考えているうちに思いついた。
いや、出版社によっては「非文芸」なPR誌もあるぞ、と。
とくに総合出版社は、文芸系とノンフィクション系とが
それぞれPR誌を出していたりする。

というわけで、ネットで目次とにらめっこし、
以下4誌の定期購読を申し込んだ。

・本(講談社)
・ちくま(筑摩書房)
・みすず(みすず書房)
・1冊の本(朝日新聞出版)

1冊あたり100円程度なので、
ダメならすぐ購読を打ち切ればいいと思っていた。
ところが、4誌ともイケた。
ひとつの号に2、3個は刺激を受ける読み物があった。
(「みすず」はややハイブローすぎるが……)

一方、新聞は書評を読みたいので日曜に買うことにしている。
ハッキリ言って毎日新聞が頭ひとつ抜けている。
気分次第で読売や朝日を買うこともある。

つまり、我が家は新聞数誌が週1回、
月刊誌が数誌入ってくることになる。
これらの「読みこなし」にはちょっとコツがいる。
週末にまとめて読むには量が多すぎる。
毎日コツコツ、氷河を溶かしていくような読み方をしないと、
あっという間に対処できなくなってしまうからだ。

そうならないよう、長年の習慣の末に編み出したのが次の方法である。

============
①新聞と雑誌は、全部クリアファイルに突っ込む(目立つものがいい)
②読むときは一番前にあるのをひとつ取り出し、気になるページを読む
③読んだページは破り捨てる(あるいはノートにスクラップする)
④その「残り」はファイルの一番後ろに回す
※一番前にあるものが読みたくなければ、読まずにそのまま一番後ろに回すのもOK
============

このファイルは持ち歩いて、毎日いじるのが理想である。
自分の場合は、
「毎日スクラップする記事がひとつ見つかるまでやる」
と決めていて、だいたいはクリアできている。

言ってしまえば、読もうが読むまいが、
毎日、糠床をかき回すように(やったことないけど)
手を入れつづけるのがコツだ。

毎年、元旦には新聞を全紙買っているので、
いまファイルはパンパンだ。
今日もスクラップ素材が見つかるまで読まねばならない。
一見めんどくさそうだけど、
勘がよければ10分くらいで見つかる。

……爺の繰り言のような話だ、と思いつつ
今週の更新とさせてもらいます。

# by okuno0904 | 2018-01-12 09:15 | その他
初輪行で箸墓古墳へ
初輪行で箸墓古墳へ_b0177514_18171835.jpg
あけましておめでとうございます。
今年初めての金曜更新です。
まだ正月休み気分ですけど、
とりあえずなんか書きます。

去年、折り畳み自転車を買いました。
買うときは例によって
「ホントに乗るの? 折りたたむの?」
とかさんざん言われましたが、
結果的に昨年いちばん買ってよかったものの
ひとつとなりました。

正直、そんなに走る自転車じゃありません。
ホイールが14インチなので……
その代わり7kgと軽いから
15分くらいなら余裕で担いで歩けます。
自宅から電車に乗るときも、
袋詰めの手間を省きたいので
折り畳んだ状態で家から持っていってます。

今回は、近鉄の初詣チケットを使いました。
吉野まで行って山を下って、
飛鳥の方まで行ったらええんちゃう?
という適当なプランを立てて出発。
途中、空腹に耐えかねて橿原神宮で牛丼屋に入る。
ついでに橿原神宮に寄って
チケット特典の記念品をもらい。
また近鉄に乗ってで橿原神宮→吉野。
走ろうか5分くらい考えたのですが、
道がよくなさそうなのと寒さでやる気をなくし、
再び来た電車で飛鳥に戻る。

午後になって暖かくなり、
自転車も気持ちよく走れる。
キトラ古墳を見て、次は石舞台でも行ってみるか
と思ったものの、道を間違えたので、
そのまま桜井に行くことに。

桜井で、もう帰ろうかな、と思ったものの
日没まで山の辺の道を行ってみようと思いつく。
山の辺の道を自転車で行ったのは初めてです。
半分くらい押し歩きになってしまいました
ほぼハイキングです。
結局、檜原神社で日没を迎えリタイヤを決意し、
地図を見たら、箸墓古墳が近かったので
見に行くことにしました。

昨年末「池の水ぜんぶ抜く」で話題になった箸墓。
番組はなくなったものの
池の水はしっかり抜かれていました。
意外と墳丘も整っていて、
初期の前方後円墳には見えないです。
最後はまた桜井駅まで走って電車で帰宅。

よく考えたらほとんど走ってない……
輪行というより、「自転車を持った乗り鉄」
みたいになってしまいました。

以上、フリーきっぷと折り畳み自転車があると
こういうテキトーな旅が可能になるという話でした。


# by okuno0904 | 2018-01-05 18:41 | 旅と散歩
天王寺動物園のゾウ・春子に東大で再会
天王寺動物園のゾウ・春子に東大で再会_b0177514_05322891.jpg
春子というのは2014年に亡くなった
有名なアジアゾウです。
天王寺動物園で60年以上、
飼育されていました。

最期の様子はドキュメンタリー
「天王寺おばあちゃんゾウ 春子 最後の夏」
として公開されています。
老衰によって、お客さんの前に出られなくなり、
そして立てなくなり、ゾウ舎に寝転んでしまう。
ついには鼻を持ち上げることもできなくなり、
飼育員に見守られながら逝く。
そんな様子が映像に収められています。

うちでは子供が生まれた8年前くらいから、
2カ月に1回くらいは動物園に行っていて
(最近はだんだん減ってきた)、
いつもゾウを見ていたので、
ちょっとしんみりする出来事でした。
親子2世代にわたって見てきた長寿のゾウが
(僕が子供のころには名前なんで見てなかったけど)
ついに死んでしまった……。

で、天王寺動物園では、それ以降、
新しいキリンが入ってきたり
ホッキョクグマに子供が生まれたりと、
いろいろうれしい出来事があり、
すっかり春子のことは忘れていました。

ところが先日、東京の友達に誘われて
「最古の石器とハンドアクス」
という考古学の展示会を見に行ったとき、
見つけたのです、骨になった春子を。
「どこかで骨格標本にされているんだろうな……」
とおぼろげに考えていたけれど、
まさかこんなところで出会えるとは!
いろいろ歩き回っているとこういう発見があります。

 ☆

 今年もお世話になりました。来年も毎週金曜に何か書いていきます。あと新刊も出すつもりです。ひきつづきご愛顧のほど、よろしくお願いします。


# by okuno0904 | 2017-12-30 06:05 | 旅と散歩
1/28(日)岸和田市立図書館で講演します(告知と雑感)
1/28(日)岸和田市立図書館で講演します(告知と雑感)_b0177514_09205676.jpg
年明けイベントの告知です!
1/28(日)13:30から
岸和田市立図書館(大阪府)で講演します。

参加費は無料。
事前申し込みとなっております。
詳細は下記リンクからご確認ください。

岸和田市立図書館

年明けから岸和田とは縁起がいい。
というか、泉州人としてはかなり
テンションが上がります。

岸和田ってきれいな城下町で、
気取らない下町で。
だんじりだけじゃなくて、街並みもいいんですよ。
たしか「美人が多い」説もあったような……。

さて、図書館活用術の講演は、
日本各地いろんな場所でやらせてもらいましたが、
意外と図書館を知らない人のウケがいいです。
逆に図書館をよく知っている人からは
「司書でもできる話だ」
とかアンケートで言われたりします。

たしかにその通りなんですよね。
べつに、誰も知らなかったような活用法を語るわけじゃない。
分類やらネットワークやらの基本を説明して、

「いきなりOPACで検索するんじゃなくて、棚を見るんです」
「こういう別置をしている図書館もあるんです」
「こんなふうに読書ノートを作ると頭に残ります」
とか、当たり前のことを言っているだけ。

まあしかし、言わせてもらうなら、
世の中では「当たり前のこと」「基本中の基本」がいかにスルーされているか!
ってことですよ。

たとえば「ライターになりたい」という若者がいたら、
「たくさん読んでたくさん書くといい」
と僕はよく言います。
これ、物書きが100人いたら100人言うようなことですが
(スティーブン・キングも村上春樹も言ってた)、
99%の人はやらないんですよ。残念ながら。
(読まないのになぜライターになりたいのかも謎だけど)
「こういう書くのに役立つ本があるよ」
と教えてあげても、まあ買わない、読まない。
渋沢栄一も言ってましたね。
後進のためなら、お膳立てまでは喜んでやってやる。
しかし、箸を持って口に運んでやるほどこちらは暇ではない、と。

図書館超活用術に限らず、僕の本って
「ノートに書くと印象に残っていいよ」
とか、何百年も前から言われているような
当たり前のことを言ってるすぎないんです。
それが売れたり、海外から反響が来たり、
メディアが取材に来たりする。
自分でもヘンな世の中だな、と思います。

あ、話を戻しましょう。
図書館の使い方って、なにも難しいもんじゃない。
図書館はそこら中にある。
図書館員も喜んで教えてくれる。
なのになぜ、この当たり前の知識が
世間にまったく広がっていないのだろう?

なぜこんなに人間がいるのに理想の恋人に出会えないのか?
みたいな話ですね(ちょっと違うか)。

コレ書き出すと長くなるのでやめときます。
以上、告知と雑感でした。

# by okuno0904 | 2017-12-26 10:14 | 告知・募集
私、コンビニ版の味方です
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「コンビニ版コミック」とは
ペーパーバックの廉価コミックのこと。
コレクターには評判の悪いブツです。
紙は悪いわ広告は入ってるわ、
この『火の鳥』なんてまだいいけれど、
ほかのになるとこんなんだからね。
私、コンビニ版の味方です_b0177514_13121642.jpg
改めて見ると本当にひどいデザインだ……。
でも、僕はけっこう好きなんです。
気楽に扱えるから、
繰り返し読むマンガなんか、いいんですよ。

分厚いから(寄生獣なんて3巻!)
部屋にポーンと転がしておいても
どっかにいかないし。
(文庫だと失くすんだよねー)

風呂につかりながら読んでも、
傷みが気にならないし。
買うときもブックオフで投げ売られてるし。

マンガ好きは本棚スペースのやりくりが大変ですね。
でもコンビニ版なら、こんな蔵書が可能!
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いいよ、コンビニ版いいよ!
というわけで、今年の冬も熱い風呂に使って
マンガをを読んでいます。

なかでも『史記』(横山光輝)はもう10回以上読んでます。
みんな同じ顔だから、
ぜんぜんストーリーが覚えられない。
とくに戦国時代。
私、コンビニ版の味方です_b0177514_13121464.jpg
主人公である有能な人は、
だいたい悲惨な死に方をします。

たまに、あれ? この人って生き残るんだったっけ?
と思ってたら、王から難癖付けられて、
やっぱり一族郎党処刑されたりする。

「あっなにをするのです! 狡兎尽きて良狗烹らるるということですかーッ!」
という名将たちの叫びが何度もこだます。

つまり、
――――――――――――――――――――
仕事ができる
 ↓
出世する
 ↓
人気が集まる
 ↓
トップに嫉妬される
――――――――――――――――――――

この時点でほぼ「詰み」なので、
王に次ぐ実力を持ったあたりで、
決断しなければなりません。

道はふたつ
トップを殺して自分が王になるか、
「私は絶対あなたの忠実な部下ですよ」
というポーズをとるか。

だいたい、親切な遊説家がやってきて教えてくれます。
「将軍、あなたは力を持ちすぎた。
もうここまで来たらもう殺されるか殺すかしかないのですよ」
と。

野心のない将軍や参謀は
とりあえず酒と女におぼれたり
しょぼい賄賂をかき集めたりして
「ボンクラなんです」という芝居をします。

このタイミングが早すぎると
王「あの野郎、なにサボってやがる!」
で処刑コース突入。
ちょうどいい塩梅でこの芝居がきまると
王「あいつはもうダメだな(笑)」
で幸せな老後を過ごせます。

老いぼれて王が猜疑心のかたまりになるまえに、
手を打っておくのがポイントですね。
ちょくちょく「ちかごろ持病が悪化して……」とか
弱音を吐いておいたり、
論功行賞をおねだりして、
カネにしか興味ない俗物なんだとアピールしたり。
(ああ、めんどくせえ~)

と、こういうことを将軍に入れ知恵した遊説家は、
賑わう街のなかをよだれを垂れ流し奇声を挙げながら去っていく。
どこでか情報が洩れてもこれなら大丈夫。
「エア発狂」という高度な護身です。

深い、深すぎるよ、史記!

# by okuno0904 | 2017-12-22 13:18 | 私の愛読書・私の古典
   

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