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カテゴリ:知的生産ワークアウト延長戦( 6 )
おにぎり文章論 その2
さあーブログ書くぞー
さあー書くぞー! あー書きたい!
(と必死で己を鼓舞しています)
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
というわけで、
前回の文章論から早くもひと月経ってしまいましたが、
「おにぎり文章論」の続きです。

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●よくできた文章とは「おにぎり」である
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突然ですが、はじめに、
「よくできた文章とは、おにぎりのようなものである」
こう言いきっておきましょう。
これがライターとして10年くらい活動してきた僕の
素直な文章感覚です。

どういう意味か。
まず、おにぎりから
構成要素を考えてみましょう。おそらくは、

1:ごはん
2:具
3:海苔

というのが一致するところだと思います。

この3つのバランスがあって、
みんなが同じようにイメージできて、
3歳の子供でも絵に描ける
あの「おにぎり」があるわけですね。

この3要素がバラバラだったらどうでしょうか。
海苔だけ、具だけは、ただの食材ですね。
ごはんだけだと、おにぎりというより
冷凍保存用のごはんみたいです。
あまり食欲をそそりません。

次にこのどれかが欠けたらどうか。
ご飯がないとおにぎりではありませんね。
具がないと、もの足りない。
買うにしろ作るにしろ、「具が不明」ということは
ふつうありえません。具は主役だからです。

また、海苔がなくても、
食べるぶんにはほとんど支障はないけれど、
「おにぎり」って感じがしませんね。
なんで海苔ないの? という感じで、
絵的にも寂しい。

この3要素こそ「おにぎり」を
おにぎりたらしめているわけで、
何一つとして欠かせないわけですね。

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●文章の目的は「メッセージを伝えること」
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こんどは文章の話です。
まずややこしい芸術論は抜きにして、
シンプルに「文章の目的とは何か」から
考えてみましょう。

僕は、文章の目的とは、
「書き手のメッセージを読み手に伝えること」
だと思っています。
だから、いい文章とは、
「メッセージがよく伝わる文章 」です。

たとえば、
「金持ちはずるい」
というメッセージが
書き手の中にあるとします。

これを文章で伝えるにも、
さまざまな方法があります。

「金持ちを許すな」と書いたビラを配るのも手なら、
貧しい人々の暮らしを長編小説で描いてもいい。
劣悪な労働環境の工場に潜入し、
ノンフィクションの体験ルポを書く手もあります。

で、その文章を読んだ人の心に、
「ああ、たしかに金持ちはケシカランなあ」
という気持ちが起これば、
文章の目的は一応達成されたことになるわけですね。
反対に「何いってやがる」となれば失敗。
読者も書き手と同じくらい怒りを感じてくれれば大成功、
というわけです。

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●書かない方が伝わることもある
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「メッセージを伝える」ための手段は
たくさんあります。

しかし、「金持ちを許すな!」という
メッセージをそのまま書き連ねたビラを
駅前でもらっても、ほとんどの人は、
「なんじゃこりゃ?」となるだけでしょう。

それより、体験ルポの方が、
「なるほどなあ、ヒドイもんだ」と
思ってくれる人は多いはずです。

さらに、読んでいて心地よい文章や描写、
魅力的な登場人物が出てくる小説ならば、
よりたくさんの人にメッセージを伝えることが
できるかもしれません。

直接的に「金持ちはずるい!」と書くのではなく、
あえて書かずにおく。
その結果、本を閉じた後で、
「こんなのって……ずるくないか?」と思ってしまう。
つまり、あるメッセージが読者の中に、
自発的に浮かび上がる方が、
その人の心により深く響く。
こういうこともいえるでしょう。

こちらのほうが、「金持ちずるい論」に
反感を持っている人や無関心の人にも
メッセージを届けることができる。

メッセージを伝えるといっても、
力ずくで押しつけるだけじゃなく、
引き出したり、自発的に思わせたり、と、
いろいろ作戦があるわけですね。

もっとシンプルな例をあげましょう。
トイレで利用者に「小便を床にこぼすな」
というメッセージを伝える文章の場合です。
(男にしかわからない話ですいません)。

1「おしっこを床にこぼさないでください」
2「おしっこは、もう一歩前で」
3「いつもありがとうございます。皆様のご協力でこのトイレは清潔に保たれています」

もっとも直接的なのは1ですが、
きっと、いちばん効果があるのは3でしょう。
1は「え?」って感じだし、
2も「うるせー指図すんな」という気がしますね。
3は最近よく見る作戦です。
おしっこの「お」の字も書かれていませんが、
「ああ、きれいに使わなきゃ」
という気分が呼び起こされるわけですね。

メッセージは「書けば伝わる」
というものでもないのです。
反対に「書かない方が伝わる」ことも多い、
と言えます。

ま、「伝える作戦」は限りなくありますが、
ここでいったん、要点を整理しておきましょう。

――――――――――――――
・文章の目的とは「書き手のメッセージを読者に伝えること」である
・むき出しのメッセージは読み手の反感を招く
・ただ伝えるのではなく、読み手に「広く」「深く」伝えるには、工夫が要る
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●具=メッセージ、ごはん=事実
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ここで、「文章はおにぎりである」というテーマに戻りましょう。

文章が「おにぎり」なら
メッセージはなんでしょう?
やはり、「具」です。
そして、そのメッセージを支える
事実やデータ、文献の引用、発言、体験などが、「ごはん」と
とらえることができます。

つまり、「金持ちはずるい」と書いたビラを配るのは、
具だけをおにぎりだと言って食わようとするようなものです。
当然、誰も食べてくれません。
むしろ、この人アタマ大丈夫? となる。

工場に潜入し、悲惨な労働環境を見聞きした事実をルポにまとめて、
「このように、金持ちは貧乏人をコキ使ってボロ儲けしている。ずるい!」
と書けば、読み手は「そうだな」「確かに」と納得してくれます。
これは、かなり「おにぎり」に近いと言えます。
ちゃんとごはんの中に具が入っている。
おいしいし、腹もふくれる。

しかし、「論拠(ごはん)とメッセージ(具)」だけで、
「こういう事実があるからこういうことが言える」だけでは、
論文やレポート、新聞のデキの悪い社説と同じです。

「おもしろいものを読んだ」
「読んで得した、いい時間を持てた」
「この人の文章をまた読みたい」
というような充実感や陶酔を読者に味わってもらうには、
何か足りない。

この足りないものが、
おにぎりの「海苔」に当たるものです。

海苔があって初めて、
誰が見ても「ああ、おにぎりだな」とわかる。
腹がふくれるだけでなく、
精神的にも絵的にも充足を味わえるものになるわけです。

さて、文章における「海苔」とはなんでしょうか? 
(スイマセン、長くなったのでまた続きます!)
by okuno0904 | 2012-10-01 21:11 | 知的生産ワークアウト延長戦 | Comments(0)
おにぎり理論――ライティングってたぶんこういうことじゃないだろうか――
こないだ地元大阪でライティングのセミナーをしました。「ライター、もとい書き手として大事なことは……」と、つい「ザ・専門職」「テキストマニア」な話になるのを自制して、なんとか言いたいことを伝えられたような気がしています。

まあ要するに、雑誌のライターとか、作家とかじゃなくても、ウェブとかメールとか社内報とかを書く「書き手」として、着実に芸を磨いていこうよ、ということです。

「一億総書き手」と言ってもいいくらいなのに、日本にカルチャーセンターはあってもライティング教育がないのは不思議、というかなんとかしなきゃいけないとずっと思っていました。

で、「どんなふうに読んでもらう文章を書けばいいのか」と考えいたわけですが、書店に行けば、ぼくがすごーくお世話になった「日本語の作文技術」(本多勝一)とはじめ、「わかりやすい説明の方法」とか「メール文章のテクニック」とか、どうテキストを読みやすく、わかりやすく、つまり「リーダブル」にするかという支店の本は溢れています。

だから、どこに点を打つか、「てにをは」はどうするか、箇条書きにするか、どう順を追って説明するか、といった話はもういいでしょう。「刑事は血だらけになって逃げる犯人を追いかけた」の例文は、もうお腹一杯、というわけです。

「リーダブルな文章」の次は「何を書くか」ですが、企画・テーマづくりの技術も本がありますね。僕が偏愛する『ギリギリ合格への論文マニュアル』『サルでも書ける漫画教室』をはじめ、広告やテレビなどクリエイターの人なんかが、わんさと本を出しています。こっちも、いつかは書いて見たいとは思うけれど、とりあえずは「ギリギリ合格」「サルまん」読んでね、という感じです。

そんなわけで、僕が感じているライティングの課題は、長くやってれば誰でもうまくなる「リーダブル」でも、いろいろ読んだり考えながら生きているならどうにでもなる「企画・テーマ」でもなく「どう書くか」に集約されます。

つまり、「それほどおもしろくもない題材・着想を、いかに(そこそこ)おもしろく書くか」ということです。

そんなことを思っていて、コンビニ行く途中、ふと思いついたのが、「ライティングのおにぎり理論」なのです。(続く)
by okuno0904 | 2012-09-01 08:00 | 知的生産ワークアウト延長戦 | Comments(0)
■誓うだけダイエット
■誓うだけダイエット
 6月待つまで体重を50㎏台に戻す、と宣言して、なんとかクリアしました。パンツを脱ぐと59.7㎏です。たった3キロと思うかもしれませんが、これくらいが恒常性との兼ね合い(急に痩せると脳が痩せまいと努力しだす)でもいいと思っています、たぶん。
 今回は達成できなかった場合のペナルティーを決めて、紙に書いて貼っておきました。「行きたくないところにいって一日中子守する」というものです。欲しいものを買う、とかも考えたけれど、どうしても同じ家計から金が出て、それプレゼントなのか? と言う問題がつきまとうので、やめ。罰則にしてよかったです。今月の目標は、さらに2㎏減らして57㎏台です。罰則は「入念な風呂掃除」に決定。汗だくになってカビ取りとか、マジでしたくないです。
 食事は焼き魚がいいと発見しました。夕食は、おかずを食べてからごはんを食べます。ビール飲みながら焼き魚をチマチマ食べて、頭も身を取って、骨もボリボリ囓る、と腹がだんだんいっぱいになってくるので、後はお茶漬けなんかでOKになる。ただ、これだと深夜までは腹が持たないので、早く寝るのも大事ですね。
by okuno0904 | 2012-07-05 12:00 | 知的生産ワークアウト延長戦 | Comments(0)
新聞にハマってます
■新聞にハマってます
 御多分に漏れずスマホにタブレットにネット漬けの生活をしている僕ですが、数週間前から毎朝、新聞を買うようになりました。
 というのも子供が、写真を見せろとか動画を見せろとかうるさくて、おちおちニュースサイトなんか見てられないからです。新聞なら、踏んづけられようが叩かれようが、落書きされようが、糊付けされようが、おしっこをかけられようが平気。ストレスなし。ああ、紙ってすばらしい。
 いまわが家ではおむつユーザーが二人もいて、ゴミ出しが重労働です。ゴミ袋なんか、指がもげるか手がちぎれるかと思うほどくらい。その上、新聞なんかゴミに出せるか! と思っていたけれど、これが長女のトイレトレーニングで解決。おしっこ漏らしによって順調に紙は減っていく。読む→遊ぶ→使う、という食物連鎖のような秩序が生まれています。
 で、何新聞なの? と言うと、バラバラ。別刷りの「グローブ」目当てで、日曜日は朝日、土曜日は「日経プラス1」目当てで日経が多いけれど、朝・毎・読・産経エキスプレスあたりで回しています。毎朝、朝メシ前にコンビニ行って、一面を見比べ、気分に合わせて、選ぶ。この能動的な行為が読む動機付けになり、楽しみにもなっているのでしょう。
 政局分析の記事なんか読んでたら目が汚れるわ、と思うときには、日経とか産経エキスプレスとか読めばいいし、なんかどうでもいい主婦ネタみたいなのが読みたいと思うときは毎日買えばいいし、触れる情報にランダムさを取り入れるのにもいいですね。ビジネスマンは日替わりで夕刊買ってみろ、と池上彰さんも言ってましたが、僕もそう思います。
 畳であぐらかいて新聞広げて読むんでると、原稿書きにネットにと使いまくりのパソコンとはまた違う目の使い方になるし、広々として気分爽快です。
by okuno0904 | 2012-07-04 12:32 | 知的生産ワークアウト延長戦 | Comments(0)
ツイッターでの質問より「歴史の学び方」
以前いただいた質問、

●情報の集め方と使い方

●1冊の本を書いたり、講演やセミナーを作るプロセス(内容の構成方法、文章の書き方、相手に伝える技術)

●常識レベルの日本史と世界史

 について、つらつらと書いていきますね。
 ブログ一発書きなので論旨がわかりにくかったりすると思いますが、フィーリングで理解してください。

今日は、これ。

●常識レベルの日本史と世界史

 歴史については、僕もまだまだ勉強中です。
 しかし、20代のころと比べれば比較にならないほど知識がついています。
 日本史や世界史のテストと受けたら、高校時代の方が点数がいいでしょうけれど、雑談や自分で本を読むのに援用できるような知識は今の方が断然上です。
 コツはいくつかあります。

■ある人物のファンであること

 どんな時代でもいいので、誰か歴史上の人物のファンになってください。

 僕の場合は、えーと、いっぱいいるのですが、勝海舟、福沢諭吉、松浦武四郎など。
 海外だと、好きなのはトマスモア、エラスムス、ホイットマン、チャペックなど。なんでこんな人間がでてきたのか? という意味でヒトラーやスターリン、ロベスピエールなんかも興味があります。

 本を読んだとか、マンガや映画に出てきたとか、そんな理由でOKです。
 で、図書館で本を借りたりして、その人の人生を研究していく。

 勝海舟なら師匠に佐久間象山、福沢諭吉なら緒方洪庵など、師匠筋に当たる人物がいます。
 そういう人のことや出身地のことも研究して、更にその師匠筋、源流へ……とやっていくと、歴史の筋道が頭に入る。

 そして、今度はその後輩筋はどうなったか、と考えて、
 勝なら、他の幕臣は……、福沢ならほかの適塾出身者は……慶応大初期の教え子は……、思想的に影響を受けた人は……
 とリンクして読んでいく。

 その人物のDNAを追っていくような感じですね。
 ある種、歴史を無味乾燥な事項の羅列から「自分なりの物語」として作り直すわけです。

■ある時代のファンであること

 次に大事なのは、ある時代のファンであることです。
 僕は、日本史なら幕末、世界史なら近代や現代が好きです。戦国時代や中世は感覚的に理解できない部分があります。

 全体を学ぼうとするより、ある時代のことを重点的に学ぶ方が、歴史全体をザックリ理解することがたやすいのではないかと思っています。

つまり、部分は全体を含んでいる、と。

 たとえば、フランス革命に興味を持ったら、まずフランス革命の本を読む。

次に、フランス革命の源流をたどると、
イギリス市民革命、議会政治、米国独立、プロテスタント運動、ルネッサンス、ギリシア哲学……と、いろいろ興味を感じるので読む。

今度は、フランス革命の影響を考えると……
ナショナリズム、民主主義、ナポレオン、帝国主義、テロリズム、社会主義、人権思想の波及、ソ連、日本の開国、2度の世界大戦……

と、興味の赴くままに読んでいくわけです。

本をかなり買うことになるので、新書で探すか図書館を活用するとよいでしょう。

(続く)
by okuno0904 | 2012-04-03 11:37 | 知的生産ワークアウト延長戦 | Comments(0)
「ネタ」のつくり方
ツイッターで原稿や講演の内容をどう作ればいいか
質問があったので書いておきます。

『知的生産ワークアウト』では、
テキストデータに箇条書きをして、
並び替えながら構成を練っていくという
方法を紹介しました。

ただこれは、かなり調子のいいとき
またはネタがいっぱいあるとき限定です。
箇条書きで書くこと自体浮かばないということは
ままあります。

そんなときには、まずは、
『書きながら考えればうまく行く』(PHP研究所)に
書かれていた方法「プライベートライティング」。
これは素直にいい方法です。混乱した頭がスッキリします。
自分の本音や根本的な問題意識のあぶり出しになります。

瞑想みたいなもんでしょうか。
とにかく、気持ちが落ち着き
頭がクリアになるという効果がある。
それだけでもやってみて損はないでしょう。

でも、これだけではコンテンツにはなりません。
〆切は3日後! なのに何も浮かばない!
そんなときはこれをやります。
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原始的!

PCをシャットダウンし、
2Bの鉛筆をゆっくりナイフで削って、
電気スタンドだけをつけて、
2時間くらいこもる。
裏紙メモ用紙(A7)に書きまくって並び変えながら考える。
早い話が『知的生産の技術』に書かれていた「こざね法」ですね。

やっぱり人間のは「手で考える」という面があって
複雑で身体感覚を味わえる動かし方をした方が、
つまりキーボードとモニタより、鉛筆と紙のほうが
打開点にはやくアプローチできるような気がしています。

これは僕のやり方にすぎません。
本当に大事なことは「いつもこの方法で片付ける」「この環境でやるといける」
という「構え」というか、儀式というか
フィニッシャー、必殺技のようなものを
持っておき、それを信じ込むことではないでしょうか。

ただ、時間はかかるのでそうしょっちゅうできません。
こんなことをやらずに済むように、
生活しながら考え続けて
テーマを煮詰めていくことが肝心です。
by okuno0904 | 2011-12-01 12:10 | 知的生産ワークアウト延長戦 | Comments(0)
   

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