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> 雑誌『致知』で古典についての対談
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今月号の月刊『致知』で、奥野が、
出版プロデューサーで作家の夏川さんと
対談しています。
タイトルは「日本復活の鍵は古典にあり」。
二人で古典の読み方や味わい方を語りました。

なんでオマエが古典を語るんだ?
という人もいると思うので説明しておくと、
昨年から今年にかけて、致知出版で刊行している
『いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ』
に関連しての対談企画です。

同シリーズで、奥野は
『現代語訳・学問のすすめ』を
夏川さんは『現代語訳・武士道』を
訳した、というつながりで、
執筆で苦労したこと、
古典の面白さなどを語り合いました。
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夏川さんは作家としてもライターとしても大先輩。
『武士道』は内容も難解で、しかも原書は英語で書かれています。
今回、夏川さんは、英語でかかれた文明論をいきなり現代語訳(!)という
すごい仕事をされているので、
翻訳時の考え方を聞けたのは
私自身にとっても非常に勉強になりました。

『武士道』のすごいところは……と書くと、
とてもブログでは書ききれないので、
とにかく難しく考えず読んでみて下さい。
本当の名著というのは、
読んですぐ何か書いたりするのが
ためらわれるものです。
実際に読む前に、このインタビューを読めば、
『武士道』の魅力がつかめると思います。

学生時代は、投げ出した『武士道』も
夏川さん訳なら2時間くらいで読めました。
20代では読めませんでしたが、
30代で読めてまだよかったです。
あとウン十年は読み返して考える時間がありますからね。

対談しているときに気がついたのですが、
『学問のすすめ』は
日本の大衆に向けて文明化を教える本
『武士道』は
海外のエリートに向けて日本文化の伝統を教える本
と、ちょうどコインの表と裏みたいな関係になっているのが
おもしろいですね。そして遠いようで近いことを言っている。

今回の、現代語訳や対談で、思ったことは、
現代人は、古典に先入観を持ちすぎているなあ、ということです。
古くさい概念だとか、時代が違うとか、
つい昔の人を現代人と比べて一段劣るように見てしまうわけです。
「武士道っていっても、ほとんどは百姓じゃん」とか
「学問のすすめって言うけど、勉強ばっかりできても仕方ないよ」とか
ついつい思ってしまうわけですね。

しかし、そんな誰でも思うようなことは、
「当然、想定の上、書かれている」。
これが、なかなか想像しがたい。
福沢や新渡戸は、今の世の中にあふれる
コンピュータのことも金融工学のことも
何も知りません。
深海に何があるか、太陽系がどうなっているかも知らない。
それなのに見識は現代人よりはるかに
本質に迫っている。
なぜだ?

このような感覚が、
古典を読むときに大事なことだと思っています。
by okuno0904 | 2013-04-02 11:04 | メディア掲載情報 | Comments(0)

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